2026/07/27
お気に入りの服を着ていると、表面に小さな毛玉ができてしまうことがあります。
この毛玉は「ピリング」と呼ばれ、多くのアパレル製品で起こる現象です。見た目が悪くなるだけでなく、「品質が悪い服なのでは?」と感じる方も少なくありません。
しかし、ピリングは必ずしも品質が低いことを意味するわけではなく、素材の特徴や着用環境によって発生する自然な現象でもあります。
今回は、ピリングが起こる原因と、できるだけ防ぐための対策について解説します。
ピリング(毛玉)とは?
ピリングとは、生地表面の繊維が摩擦によって絡み合い、小さな玉状になった状態を指します。
服を着ていると、腕や脇、バッグが当たる部分など、繰り返し摩擦が起こる箇所に発生しやすくなります。
一度できた毛玉は自然には取れにくく、放置すると見た目の印象も大きく変わってしまいます。
天然繊維は縮みやすい
綿や麻、ウールなどの天然繊維は、水分を吸収しやすいという特徴があります。
そのため、洗濯後に繊維が収縮し、乾燥する過程でサイズが変化することがあります。
特に綿100%の製品は、新品の状態から最初の数回の洗濯で多少縮むことがあります。
ウールは熱や摩擦にも弱く、洗濯方法を間違えると大きく縮んでしまうこともあるため注意が必要です。
ピリングができる主な原因
毛玉ができる最も大きな原因は「摩擦」です。
歩いたり座ったりする動作や、バッグとの接触、洗濯時の衣類同士の擦れなど、日常生活のさまざまな場面で生地は摩擦を受けています。
摩擦によって表面の繊維が毛羽立ち、その繊維同士が絡まることで毛玉ができます。
着用回数が増えるほど、ピリングが発生しやすくなる傾向があります。
素材によってできやすさは異なる
ピリングの発生しやすさは、生地の素材によっても異なります。
ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は強度が高く、毛羽立った繊維が切れにくいため、毛玉として残りやすい特徴があります。
一方、ウールや綿などの天然繊維は毛羽立つことはありますが、繊維が切れやすいため、毛玉が大きく成長しにくい場合もあります。
ただし、混紡素材では両方の特徴を持つため、素材の組み合わせによって発生状況は変わります。
縫製や生地選びとの関係
ピリングは縫製だけが原因ではありませんが、生地の選定や加工方法も影響します。
毛羽立ちやすい生地や、表面が柔らかい素材はピリングが起こりやすくなります。
そのため、アパレル製品では用途に応じた素材選びや、生地の加工方法を検討しながら製品づくりが行われています。
また、着用シーンを想定した素材選定も、品質を維持するための重要なポイントです。
毛玉をできにくくするための対策
ピリングを完全に防ぐことは難しいですが、日頃のお手入れで発生を抑えることはできます。
洗濯時は衣類を裏返して洗濯ネットを使用すると、生地同士の摩擦を減らすことができます。
また、バッグが同じ場所に当たり続けることを避けたり、連日同じ服を着続けず、生地を休ませたりすることも効果的です。
毛玉ができてしまった場合は、生地を傷めないよう専用の毛玉取り器やブラシを使用すると、きれいな状態を保ちやすくなります。
縫製工場が品質維持のために取り組んでいること
縫製工場では、完成後の見た目だけでなく、長期間着用した際の品質も意識しています。
生地の特性を理解し、用途に合った素材を選定することはもちろん、必要に応じて耐久性や摩擦に関する試験を行うこともあります。
製品の用途やターゲットに合わせて最適な素材や仕様を選ぶことで、品質の高い製品づくりにつなげています。
まとめ
ピリング(毛玉)は、摩擦や素材の特性によって発生する自然な現象です。
化学繊維や混紡素材では特に発生しやすい傾向がありますが、日頃のお手入れや適切な洗濯方法によって、できるだけ抑えることができます。
また、縫製工場では素材選びや加工方法を工夫し、着用後の品質まで考えた製品づくりを行っています。
毛玉の仕組みを理解することで、大切な服をより長く、きれいな状態で楽しむことができるでしょう。