2026/01/16
アパレルOEMの相談を日々受けていると、ブランド側と工場側の認識にズレがあるケースは少なくありません。
そのズレが原因で、話が進まなかったり、想定と違う結果になってしまうこともあります。
今回は、実際の現場でよくある「勘違い」を、縫製工場の立場から整理してみます。
勘違い①「OEMなら、何でもそのまま作れる」
「デザイン画があるから、この通りに作れますよね?」
これは非常に多い相談です。
実際には、デザインが成立するかどうかは、素材・縫製仕様・量産条件が揃って初めて判断できます。
絵として成立していても、量産時に再現性が低い、コストが跳ね上がる、縫製難度が高すぎる、というケースも珍しくありません。
OEMは“コピー機”ではなく、“製造として成立させる作業”だという理解が重要です。
勘違い②「小ロット=気軽に作れる」
小ロット対応をうたう工場は増えていますが、「小ロット=簡単」というわけではありません。
型紙作成、仕様確認、サンプル作成など、初期工程はロット数に関係なく必要です。
むしろ数量が少ないほど、1着あたりの負担は大きくなります。
工場側も小ロットに対応するための調整をしている、という前提を理解してもらえると、話はスムーズに進みます。
勘違い③「見積はだいたい同じになる」
同じアイテムでも、工場によって見積金額が違うことはよくあります。
これは「適当」なのではなく、設備、得意分野、工程の組み方、人員体制が異なるためです。
安さだけで判断すると、後から仕様変更が必要になったり、納期や品質に影響が出ることもあります。
見積は“価格”ではなく、“工場の考え方”を見る材料として捉えるのが現実的です。
勘違い④「サンプルがOKなら量産も同じ」が成果を左右する
サンプルと量産は、似ているようで別物です。
サンプルは1点ずつ丁寧に作れますが、量産ではスピードと再現性が求められます。
そのため、サンプル時点では問題がなくても、量産で初めて課題が見えることもあります。
工場側が量産前に確認や調整を提案するのは、品質を安定させるための工程です。
勘違い⑤「工場は受けてくれるのが当たり前」
すべての工場が、すべての案件を受けられるわけではありません。
得意分野や稼働状況、設備との相性によって、受注できない場合もあります。
これは否定ではなく、「無理に受けない」という判断です。
結果的に、その方がブランドにとっても良いケースが多いのが実情です。
まとめ:認識が揃うとOEMはうまくいく
アパレルOEMで重要なのは、専門知識よりも「前提の共有」です。
工場とブランドが同じ目線で話せるようになると、製品づくりは格段にスムーズになります。
縫製工場は、単なる外注先ではなく、ものづくりのパートナー。
その前提で相談してもらえると、より良い形で製品づくりを進めることができます。