2025/11/23
ミシンの動きを支える「油」の役割
縫製では、針や釜が高速で動き続けるため、摩擦や熱が発生します。
この負荷を抑え、一定の品質で縫い進めるために欠かせないのがミシン油。
潤滑が十分でないと、異音や目飛び、縫い縮みなどのトラブルにもつながります。
用途によって変わるミシン油の種類
工場で最も多く使われるのは、透明で粘度の低いスタンダードタイプ。
軽い動きが必要な直線ミシンや高速ラインには、この“サラッとした油”が相性抜群です。
一方、厚手素材や負荷の大きい作業を行う機械では、やや粘度のある油を使用することもあります。
パーツ同士の摩耗を防ぎ、熱を帯びにくくするため、より安定した縫製につながります。
油の劣化は縫製品質に影響する
ミシン油は空気やホコリに触れることで劣化します。
粘りが出たり、汚れが混じったりすると、部品の動きが重くなり、糸調子にも影響が出ます。
私たちの現場では、稼働時間や季節による変化も踏まえて定期的に交換し、常に機械がベストな状態で動くよう管理しています。
適切な潤滑が品質を底支えする
ミシン油は、見えない場所で縫製品質を支えている存在です。
どんな油を使うか、どのタイミングで補給・交換するかによって、仕上がりの美しさもミシンの寿命も変わります。
素材や工程に合わせた油の使い分けは、安定した生産には欠かせない大切なポイントです。