2026/02/15

海外生産から国内回帰するブランドが増えている理由

ここ数年、「海外で作っていた商品を国内に戻したい」という相談が増えています。
かつてはコスト面で圧倒的に有利だった海外生産ですが、今は状況が変わりつつあります。単なる流行ではなく、経営判断としての“国内回帰”が起きています。


海外生産の強みは、やはり製造単価の安さでした。ところが、為替の変動や輸送費の高騰、国際物流の遅延などによって、総コストが読みづらくなっています。

発注時点では安く見えても、納品時には想定よりコストが膨らんでいる。そうしたケースが増えると、価格優位性は一気に揺らぎます。

国内生産は単価こそ高めですが、見積り通りに着地しやすい。結果として「トータルで見れば安定している」と判断するブランドが増えています。

今のアパレル市場は回転が速く、小ロットや短納期が当たり前になっています。トレンドの変化に合わせて修正を加えたり、追加生産をかけたりする動きも増えました。

海外生産では、仕様変更ひとつでも時間がかかります。物理的な距離はもちろん、言語や商習慣の違いも影響します。

国内であれば、サンプルの修正や細かな仕様調整が迅速に進みます。市場のスピードに合わせて動ける体制は、ブランドにとって大きな安心材料になります。

品質が悪いという話ではありません。ただ、管理の難易度が違います。

現地に行かなければ確認できない。細かなニュアンスが伝わりにくい。検品基準の認識にズレが出る。そうした積み重ねがトラブルにつながることもあります。

国内であれば、打ち合わせや立ち会い検品がしやすく、トラブルの芽を早い段階で摘むことができます。ブランドの世界観を守るという意味でも、距離の近さは大きな強みです。

価格だけでなく、価値で勝負するブランドが増えています。その中で国内生産は、単なる製造場所ではなく、品質保証や信頼性の象徴になります。

丁寧な縫製や仕上がりの安定感は、ブランドの評価に直結します。国内回帰は、単なるコストの問題ではなく、ブランド戦略の一環とも言えます。

一国集中生産は、物流停止や政治的リスク、自然災害などの影響を受けやすいという課題があります。

そのため、海外と国内を組み合わせる“ハイブリッド型”の生産体制を取るブランドも増えています。サンプルや小ロットは国内で行い、安定した型は海外で量産する。そうした柔軟な体制の中で、国内工場の役割はむしろ広がっています。

海外生産から国内回帰が進んでいる背景には、単純なコスト比較だけでは語れない事情があります。不安定な国際環境、市場のスピード化、品質管理の難易度、そしてブランド価値の再定義。

国内生産は「高いから選ばれない」のではなく、「安定しているから選ばれる」存在に変わりつつあります。

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