2025/07/29
洋服は毎日のように着ているのに、「どうやって作られているのか」を詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。
特に、「縫製って全部ミシンで自動でやってるんでしょ?」という声もよく耳にします。
確かに今は便利なミシンや設備も増えましたが、実は縫製の現場にはまだまだ人の手が欠かせない作業が多く残っています。
今回は、“どこまでが手作業で、どこからが機械作業なのか”という素朴な疑問に、縫製工場の視点からお答えします。
生地の裁断は手作業+機械のハイブリッド
製品づくりの最初の工程「裁断」は、型紙を生地に合わせてカットしていく作業です。
大きなロット(量産)では、自動裁断機を使うこともありますが、少量生産や柄合わせが必要な場合などは、人の手で丁寧に裁断されることも多いです。
柄モノや繊細な素材では、数ミリのズレも仕上がりに影響するため、熟練の感覚が必要な工程です。
ミシン縫製=すべて自動ではない
「ミシンで縫うから機械作業」と思われがちですが、実は職人が1点ずつ手で生地を送りながら縫っていくのが一般的です。
たとえば…
・ポケットの角の止め方
・首まわりの丸みの縫い合わせ
・薄地と厚地の切り替え部分
など、素材やパーツの形状に合わせて、手元で細かく調整しながらミシンを動かします。
つまり、「ミシン作業=手作業の延長」ともいえるのです。
アイロンや仕上げも手作業
縫い終わった製品は、必ず「仕上げ」としてアイロンで形を整える工程があります。
この作業も、1点1点のシルエットや生地の特性を見ながら手作業で丁寧に行われます。
また、最終検品でも、縫い目のほつれや糸始末などを人の目と手で確認して整えます。
まとめ:縫製は“人の手”が生きるものづくり
縫製には最新のミシンや設備が使われていますが、それを動かしているのは職人の手。
細かい判断や微調整が必要な工程は、今でも人の感覚に頼る部分が多く残っています。
見た目にはわからないかもしれませんが、1着の洋服にはたくさんの“手仕事”が詰まっているんです。