2025/02/17
1. はじめに
アパレル業界でブランドを立ち上げたり、新商品を開発したりする際、「OEM」と「ODM」という言葉を耳にすることがあると思います。どちらも製造を工場に依頼する方法ですが、その仕組みやメリット・デメリットには大きな違いがあります。
この記事では、OEMとODMの違いをわかりやすく解説し、自社に合った選び方のポイントをお伝えします。
2. OEMとODMの基本的な違いとは?
OEM(Original Equipment Manufacturer)とODM(Original Design Manufacturer)は、どちらもアパレル製品の製造を外部に委託する方法ですが、大きな違いは「製品の企画・デザインをどこが行うか」にあります。
依頼側(ブランド側)が企画・デザインを考え、工場がその指示に従って製造する方法。
✔ ブランド独自のデザインや仕様を反映できる
✔ 自社のブランド価値を高めることができる
✔ 企画やデザインの知識が必要
🔹 ブランドの独自性を出せる → 仕様や素材を自由に決められる
🔹 品質管理をしやすい → 指定した基準に沿って製造できる
🔹 スケールアップしやすい → 既存の生産体制を活用し、規模拡大が可能
❌ 初期コストが高くなる場合がある → デザインやパターン作成の費用がかかる
❌ 生産リードタイムが長い → 工場とのやり取りや試作期間が必要
工場側がデザインや企画を考え、ブランド側はその製品を仕入れる形で販売する方法。
✔ 工場が商品企画から生産までを担当する
✔ 企画の手間が省け、すぐに販売できる
✔ 独自性は薄く、工場側が主導権を持つ
🔹 企画の手間がかからない → デザインやパターンを用意しなくてよい
🔹 コストを抑えられる → すでにある製品を活用できる
🔹 スピーディーに商品を販売できる → 在庫を持たずにテスト販売が可能
❌ 他社と同じ商品になる可能性がある → 独自性が弱い
❌ 仕様変更が難しい → 工場の提案するデザインに従うことが多い
3. OEMとODM、どちらを選ぶべき?
どちらを選ぶべきかは、ブランドの目的やビジネスモデルによって異なります。
✅ OEMが向いている人
✔ ブランド独自のデザインや世界観を大切にしたい
✔ 他社と差別化できるオリジナル商品を作りたい
✔ ある程度の製造コストをかけても、自社製品を展開したい
✅ ODMが向いている人
✔ 低コストでスピーディーに商品を販売したい
✔ 企画やデザインにかけるリソースがない
✔ テストマーケティングをしたい
4. OEM・ODM発注時に注意すべきポイント
OEM・ODMどちらを選ぶ場合でも、以下のポイントを事前に確認しておくことが重要です。
工場ごとに得意なアイテムが異なります。Tシャツが得意な工場、アウターやスーツ専門の工場など、扱えるジャンルを確認しましょう。
工場によって最低生産数が決まっているため、小ロットから対応可能かどうかを事前にチェック。
スケジュールのズレはブランドの販売計画に影響を与えるため、進捗報告の体制が整っているか確認しましょう。
安すぎる工場は品質が低い可能性があるため、サンプル確認を徹底することが重要です。
5. まとめ
OEMとODMは、それぞれメリット・デメリットがあり、ビジネスモデルによって適した選択肢が異なります。
**「ブランドの独自性を出したいならOEM」「スピーディーに低コストで展開したいならODM」**が基本の考え方になります。